学校教育でICTを導入し始めて、既に20年ほど。最近では、ネット環境が一般にも普及してきているので、活用が進んできました。それに一層弾みをつけたのがいわゆる「コロナ騒動」です。今年度から、全国で、小中学生を対象に、一人一台の端末を整備するのが「ギガスクール構想」です。
従来の生徒用パソコンは、校内のパソコン専用室でのみ利用できるもので、通常の授業や自宅学習、オンライン授業などの活用はできませんでした。新たな事業では、生徒一人に対応したパソコンと、モバイルルーターを公費で整備します。
パソコンの整備や管理は、これまでは、納入した業者に期待する以外は、現場の先生方の手作業によることが大半で、大きな負担になってきました。新規事業で納入される生徒用パソコンについては、「MDM」と呼ばれるアプリをどのパソコンに入れるかを管理する端末で一括管理することが前提になっています。インストールするOSやアプリについては、いわゆるクラウドでの管理を基本にし、遠隔での管理が可能になります。
今回のパソコンへの公費補助の基準額は、一人あたり45,000円です。従来の感覚からすると、破格な設定と感じられるでしょう。背景には、パソコンメーカー、OSなどソフトウェアメーカー、代理店が大規模にタッグを組んで行われる国家プロジェクトだから実現できると言っていいでしょう。
気になるのは、特別支援教育にどれだけ配慮されるかです。所管の特別支援教育課によれば、障害故の支援機器のための予算を既に要求しているとのことです。小中学生は文部科学省の予算ですが、高等部に整備する場合は、別枠で予算を確保する方法もあるとのことです。