子供のころ弱視で今は全盲
私は生まれつき目が不自由でした。小学校に入学したころで、左目が0.3、右目が0.07で、夜盲もありました。母親と眼科医院をいくつか尋ねましたが生まれつきの病気で網膜色素変性症であることはどこでもおなじ見立てでした。兄弟4人中3人が同じ病気で弱視だったので、両親の落胆も想像に難くありませんでした。
両親は地域の学校で統合教育を受けることを大切に考え、先生方に働きかけて受け入れを認めてもらっていたのです。教科書が見えにくいことはルーペの使用や、拡大コピーで対応してもらいました。とは言え、田舎の小さな学校には、当時拡大コピーできるコピー機はなかったので、遠く離れた県立盲学校の先生にお願いして、引き受けていただきました。
中学校の卒業を迎えるころには、左目でも0.1を大きく下回り、一般の高校への進学は無理だと考え、国立の盲学校の高等部普通科に進学。盲学校での教育を始めて体験しました。使用する文字も少しずつ点字に切り替わりました。そのころ、盲人バレーボールを初めて体験し、本格的な球技に楽しむことができたのはいい思い出です。
高等部専攻科であん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの勉強を始めたころには視力の低下が進み、白杖を使うようになりました。それでもかなり目で見ることに依存していた状況でした。
卒業後、私立の盲学校に助教諭として就職し、7年、転職の時に健常者と結婚しました。
県立の盲学校に教諭として就職。51歳まで勤めて退職しました。
今では光も失い、全盲になりました。